社会保険料は給料の約14%にあたります。産休を取得している期間に申請をすることで社会保険料の支払いが免除されます。それではこの社会保険料の免除の手続きについて徹底解説します!
産休期間の社会保険料は産休の開始月分から免除される
社会保険料の免除が始まるのは産休の開始日の月からです。例えば3月10日から産休を開始した場合には3月分の社会保険料から申請をすることで免除となります。
ちなみに3月31日から産休を開始した場合はどうなる?
こちらは産休開始日の31日は3月なので3月分の社会保険料が免除となります。
社会保険料は給与の約14%?
社会保険料の内訳は2022年3月時点では健康保険料が協会けんぽ(東京)で40歳未満の場合は介護保険料8.2/1000の支払いがないので49.05/1000、厚生年金保険料が91.5/1000となりますので(49.05+91.5)/1000=140.55/1000となり、月収の約14%が社会保険料となります。
育休期間中の社会保険料免除のシミュレーションについては以下の【社労士監修】男性が育児休業を取得したら収入はいくらになる?をご参照ください。
産休が終了する日の月分の社会保険料は免除されない
それではいつまで社会保険料が免除されるのか?ということですが答えは産休が終了する日の月分の社会保険料は免除されません。そのまま継続して育休を取得される場合には育休が終了する日の月分の社会保険料は免除されません。これが従来からの原則的な社会保険料の免除の考え方になります。
つまり、産休後に育休をとらないで職場復帰した場合、もしくは産休後に育休をとって育休が終わる翌日から社会復帰する場合はその社会復帰した日の月分から社会保険料が発生するからです。
<産休期間中の社会保険料免除>
産休開始月から産休終了日の月の前月まで
※会社ごとの書類作成フローが異なりますので社会保険料の免除申請のタイミングも異なります。
産休期間中の社会保険料免除申請の書類
産休期間中の社会保険料免除申請は以下の健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届を使用します。
下記の日本年金機構のHPからダウンロードできます。
健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/todokesho/menjo/20140326-01.files/0000018131zo7isNeqBi.pdf
出産日が変わったり産休が予定より早く終了した場合にもこの用紙の下段のA.B.欄に記載して申請します
産休中の保険料免除書類の提出先
事務センター(もしくは事業所の管轄の年金事務所)です。
提出方法は電子申請、郵送および窓口持参で事務センター(事業所の管轄の年金事務所)へこの産前産後休業取得者申出書を届け出ることで産休中の社会保険料が免除になります。
提出期限
産休開始日から産休終了日から1か月以内に申請
育児休業期間中の社会保険料免除はいつから?
産休中の社会保険料の免除から継続して免除となります。育児休業開始日は産休終了日(産後56日)の翌日になるので育児休業の社会保険料免除の申請をすることで育休開始から子が1歳になるまで社会保険料の免除ができます。これが出産されるママさんご本人を対象とした育児休業中の社会保険料免除の考え方となります。
しかし、手続きは産休中の社会保険料免除の申請とは別に育児休業中の社会保険料免除の申請手続きをする必要があります。育児休業中の社会保険料免除の申請書類は以下になります。
育児休業期間中の社会保険料免除申請の書類
育児休業期間中の社会保険料の免除は以下の育児休業等取得者申出書で申請をします。
下記の日本年金機構のHPからダウンロードできます。
健康保険・厚生年金保険 育児休業取得者申出書/変更(終了)届
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/todokesho/menjo/20140403-01.files/A.pdf
育児休業中の社会保険料免除申請書類の提出先
事務センター(もしくは事業所の管轄の年金事務所)です。
提出方法は電子申請、郵送および窓口持参で事務センター(事業所の管轄の年金事務所)へこの育児休業等取得者申出書を届け出ることで育休中の社会保険料が免除になります。
育児休業は雇用保険の分野だから提出先はハローワークではないのですか?
うん、育児休業は確かに雇用保険なのですが社会保険料に関することなので健康保険の手続きの窓口に申請をします
育児休業期間中の社会保険料免除の申請期限
この申出は、下記の育児休業を取得するときに育児休業中または育児休業等終了後の終了日から起算して1カ月以内の期間中に行わなければなりません。
その都度免除申請が必要な育児休業
- 1歳に満たない子を養育するための育児休業
- 1歳から 1 歳6カ月に達するまでの子を養育するための育児休業
- 1歳6カ月から2歳に達するまでの子を養育するための育児休業
- 3歳に達するまでの子を養育するための育児休業の制度に準ずる措置による休業
- 産後休業をしていない労働者が、育児休業とは別に子の出生後8週間以内に4週間まで、2回に分割して取得する休業(産後パパ育休)
この社会保険料免除の申請手続きは子供が1歳になるまでの通常の育児休業の他、1歳6か月までの育休の延長や2歳までの育休の再延長および産後パパ育休でもその都度免除申請が必要となります。
1歳6か月までの育休の延長、2歳までの育休の再延長は免除申請および認可保育園の入所申し込み等本当に忘れやすく期間が短いので特に注意が必要です
産休や育休について詳しく知りたい方は以下の【社労士監修】産休と育児休業はいつから取得できる?をご参照ください。
産休と育休期間中の社会保険料の免除申請手続きのタイミングはいつがよい?
会社ごとの書類作成フローが異なりますので社会保険料の免除申請のタイミングも異なるというお断りをさせて頂いたうえで、どのタイミングで申請するのが良いかなと考えると実務上の産休および育休期間中の免除申請をしやすいタイミングは2つあります。
産休期間中と育児休業期間中の社会保険料免除申請が煩雑すぎていつ手続きをしたらよいか混乱してます
タイミングは2つ。出産予定日がわかった時と出産日が確定したときでまず出産予定日がわかれば産休中の免除申請書類が作れます。次に出産日が確定すれば育児休業の期間が確定するので育児休業期間中の社会保険料の免除書類が作れます
出産予定日は産休取る前に確認できますし、出産日はご本人からの連絡でわかるので産休中のご本人さんの負担が少なくていいですね
手続き担当者としてはいかにご本人さんの負担を少なくするかをいつも考えることが大事なのです
まとめ
産休期間中および育児休業期間中の申請書類の管理することが多く管理部門や総務部門の事務方は本当に大変。特に育児休業の延長申請や再延長をする場合などは手続き漏れが発生しやすいので注意が必要です。
企業によっては産休や育休取得をしている方が7~8人いるなんてことも珍しくありません。そうなるとそれぞれ産休および育休取得者によって必要がな書類も異なってくるので育児休業取得者の可視化などの仕組づくりが必要となってきます。
一方、育児休業自体が珍しいという会社もあるかと思います。そのような場合はベテランの手続き担当者であっても、初めて手続きすることも多いと思いますので産休中や育休中の社員さんからもタイミングを見計らって
「あの書類の進捗どうなってますか?」
などのリマインドをしてみるのも手続き担当者からすると助かるかとおもいます。
コメント