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【社労士監修】育休の延長をしたい!育休の延長を失敗しないための準備ガイド

2023年3月2日

育児休業は原則子供が1歳になるまで取得でき、1歳時に保育所などに入所できない場合に限り1歳6か月まで(再延長で2歳まで)延長することができることは知られているかと思います。しかし、実務の現場では育休の延長ができなかったというトラブルが絶えません。

育休延長ができなかった一番多い理由は準備書類の不備となります。この記事では準備書類の不備にならないために育休の延長をするための正しい知識といつから準備をするのがよいのかについてわかりやすく解説します。

【この記事でわかること】
・育児休業延長制度の概要
・育休延長となる事例
・育休延長とならない事例

育児休業延長制度の概要

育児休業給付金は、1歳前の子を養育するために育児休業を取得するときに1歳の誕生日の前々日まで支給される給付金です。しかし、職場に復帰しようとして保育所(=認可保育園)に入所を希望し申込みをしているけれど入所できないなどの一定の要件を満たした場合には、1歳6か月の誕生日(再延長で最大2歳)の前々日までを限度として支給対象期間を延長することができます。

なお、育児休業制度について確認したい方は下記の【社労士監修】産休と育児休業はいつから取得できる?をご覧ください。

保育所に入所できないことを事由とする延長対象の要件

職場に復帰するために保育所等の入所を希望し申し込みをしたが、子の1歳の誕生日に入所できないやむを得ない場合に限定しています。

以下の2点が要件となります。

1)市区町村等で保育所等の入所申し込みを行う

2)入所申し込み時に入所希望日を1歳の誕生日以前とする

例えば、令和4年2月1日生まれの子の場合、1歳の誕生日である令和5年2月1日までの日を入所希望日として申し込む必要があります。

市区町村によっては入所申込時期が様々、毎月1日の入所希望でなければ入所申し込みの受付ができない場合もあるので早めに確認!

とり子先輩

延長申請時の確認書類

  • 入所不承諾通知(利用調整結果通知等)の写し
  • 入所申し込み書の写し
  • 入所不承諾通知に育児休業取得者の氏名がない場合には母子手帳(出生届出済証明のページ)の写し等
  • その他ハローワークにより提出を求められた書類

②は①の入所不承諾通知書の内容に入所申込日および入所希望日が明記されていない場合に必要になります。

育休延長の会社への申し出(申請)時期

・1歳の誕生日の1ヶ月以上前

会社は前述の延長終了時の確認書類と合わせて1歳になる直前の最後の育休申請をする際に同時に延長の申請をします。

特に育休申請数があまり多くない会社の手続き担当の方でもわからないことが多いと思いますので、延長希望の方は早めに会社に延長の申し出と確認書類を提出が絶対です!

とり子先輩
新米ぴよ美

早めであれば会社の担当の方から書類不備の連絡がきても余裕をもって対応できますね

もし、延長手続きをせず支給終了年月日まで給付を受け取ってしまうと育休延長はできなくなるので注意が必要です

とり子先輩

育休延長の対象とならない具体例

それでは育休延長の対象とならない具体例を以下にまとめました。

・市区町村に問い合わせをした際に途中入所は難しい状況又は定員超過のため次回の入所は困難であると説明を受け、入所申し込みを行わなかった場合
・認可保育園への申し込みをしなかった(無認可保育所・認証保育所はNG
・利用開始日が1歳の誕生日を過ぎている場合
・1歳の誕生日現在、入所申込みの期限が切れてる場合

ここでよく勘違いをされやすいのですが育休延長は最大2歳までとありますが、はじめから2歳まで延長の申請ができるわけではなく、1歳で延長申請、1歳6か月で再延長申請の手続きをそれぞれしなくてはいけません。当然のことながら2歳までの育休の再延長の申請も1歳6か月までの育休延長の要件である認可保育園の入所申込みは必須となります。もし、認可保育園への入所申込みを行っていない場合や復職の意思がない場合は育児休業給付金の延長は認められません。

【具体例】

▷1歳の誕生日が2月1日で保育所の入所希望日が4月1日の場合1歳の誕生日までに入所をしていない為育児休業の延長はできません。

▷各月1日が利用開始日の市区町村の場合、例えば10月29日誕生日の場合、10月入所分の不承諾通知書(利用開始日
が10月1日のもの)が必要。なのでまだ誕生日前だから大丈夫とおもって10月の途中で入所申し込みをすると利用開始日が翌月の11月1日となるので育休の延長要件をみたしていないため延長はできません。

育休を延長したい場合の注意点

コロナ禍で職場復帰より育休の延長を選ぶ方が急増しており、その中で当初から育休延長狙うのが当たり前のように考えている方も少なくないと思いますので育休の延長を考えている方は以下のことをご注意ください。

国と自治体は「当初から育休延長狙い申請」の対策を強化しています

育児休業給付金は原則子供が1歳になるまで支給されます。育休の延長は認可保育園に入所できないときに子供が1歳6か月なるまで、それでも入所ができない場合には最大で2歳になるまで雇用の継続で特に必要と認められた場合に限り延長できるというのが育休延長制度の趣旨になります。

ここでいう「当初から育休延長狙い申請」とは、入所できる認可保育園がありながら故意に育休延長をするという本来の育児休業の趣旨とは異なる申請事例が急増しており、国および自治体が対策の強化をしていて育休申請をしても認められない場合がでてきております。

最近問題視されているのは、あからさまに保育園激戦区で希望施設が少ない場合などは落選狙いと疑われる可能性があり、ハローワークからご本人宛に調査が入ることもありますのでご注意ください。

まとめ

育休も保活も産前の動けるうちの早め早めの情報収集が大切です。育休延長をするにはまずお手元に不承諾通知があることが大前提となります。特に1歳6か月の育休の再延長はうっかり入所申し込み忘れが多く、育児休業給付金がもらえないケースとなりますのでご注意ください。

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